交通事故では事故の被害者から「むちうち」と言われ高額な損害賠償請求をされたり高い慰謝料や示談金を要求されたりします。首がS字にしなり鞭を打った様な形になるため「むちうち症」といわれています。
「むちうち症」の症状は、首の痛みや、手足のしびれ、肩こり、吐き気、握力低下、めまい、手先や足先の麻痺などが症状として現れます。
交通事故でのむち打ちの慰謝料は、40万円〜1000万円で後遺障害として認定されると100万円〜1000万円近い慰謝料を請求されます。
この記事の交通事故のむちうちで後遺障害認定される5つの条件で詳しく解説していますが、
むちうちは6ヶ月および100日以上の通院と治療期間を経過しても症状が改善しなければ「症状固定」となり後遺障害と認定されて後遺障害等級14級〜12級の等級が認定されることがよくあります。後遺障害認定されると高い慰謝料を払うことになります。
ちなみにむちうちの診断名(正式名称)は、頚部捻挫、頚部挫傷、外傷性頚部症候群、脳脊髄液減少症となります。
交通事故のむちうち(鞭打ち)の症状まとめ
一般的に交通事故が原因でのむちうち症(鞭打ち)では以下のような症状がでます。
むちうちの特徴的な症状は、肩こりと首の痛みです。
- 首の痛み
- 首が回らない、痛くて首を回せない
- 首を動かすと痛い
- 吐き気がする
- 握力低下
- 指先や手先がしびれやり麻痺する
- 肩こり
- めまいや目のかすれ
- 視力低下
- 目が疲れる
- 耳鳴りや頭痛がする
- 食欲不振
- 視覚、味覚、聴覚、嗅覚などの五感に障害が生じる(脳脊髄液減少症)
- 記憶障害(脳脊髄液減少症)
むちうち症には症状の軽い、重いがあり、症状が重いと、手足のしびれや視覚、味覚、聴覚、嗅覚などの五感に障害が生じます。脳や脊髄にダメージがあると記憶障害がおきたり認知能力が下がります。
軽い症状の場合は、肩こりや首の痛み、耳鳴りやめまい、吐き気などの症状が生じます。
交通事故のむちうち(鞭打ち)の治療期間
交通事故のむちうちの治療期間は軽い症状で2〜3ヶ月、重い症状で6ヶ月以上となり6ヶ月以上の場合は、後遺障害認定となるケースも多いです。
相手の保険会社は通院している病院と連絡をとり症状や治療期間を調査します。
むちうちの症状が軽いと判断された場合は、完治していなくても2〜3ヶ月で治療打ち切りをされて、治療費の支払いを打ち切られることもあります。
6ヶ月以上の治療期間と100日を超える通院日数があるにもかからわず、治療をしているのに症状が改善しない場合は「症状固定」となり、後遺障害等級14級〜12級の等級が認定されることがよくあります。
- 軽度なむちうち症: 2〜3ヶ月
- 重度なむちうち症: 6ヶ月を基準に症状固定の判断がされる
ただ、治療期間や通院が長ければいいというわけではなく1年を超えるような治療期間や通院の場合は、事故との因果関係を否定されて損害賠償金や治療費が支払われれなくなることもあるので長ければいいというわけではありません。
むちうちの治療期間は、人それぞれ異なるため一概には言えませんが、保険会社は多くのむちうち症のケースを見ているので治療期間が判断されて、打ち切られたりします。
打ち切られそうになった場合は、病院の医師と保険会社に対して症状が改善していないことをちゃんと伝える必要があります。
交通事故のむちうち(鞭打ち)の後遺症・後遺障害
むちうち症は軽度なものから重度なものまでいりいろなケースがあります。
交通事故による後遺障害は、治療をした結果、完治せずに支障を残した状態で症状が固定し障害が残った状態を後遺障害として認定しています。
後遺障害の等級は1〜14級まであり、一番重いのが1級で一番軽いのが14級です。
むちうち症の場合は、基本的に7〜14級の間で後遺症等級が確定します。
- 治療をした結果、完治せずに支障を残した状態: 症状固定とされ後遺障害認定される
- むちうち症の後遺障害等級: 症状に応じて7〜14級が認定される
12級以上が認められるのはレントゲンやX-P、CT、MRIの画像解析で画像所見が認められる場合のみ認定されなければならいので大抵は12等級までになります。むちうち症は基本的にこららの画像解析をしても画像所見が認められるケースはとても少なく、後遺症として認定されないケースも多いです。
画像解析をしても悪いように見えないため医師も保険会社も治療打ち切りを進めてきます。
反射検査、知覚テスト、ジャクソンテスト、スパーリングテストなどの実施され、どれくらいの障害レベルなのかが判断されます。
交通事故のむちうちで後遺障害認定される5つの条件
条件 | 判断方法 | |
---|---|---|
継続的な通院 | 通院通算期間が6ヶ月以上または実際の通院日数が100日を超えている場合 | 通院証明書や診断書 |
事故の規模 | 速度のあまり出ていない追突事故や衝突事故、車体の軽い凹みや衝突事故以上の規模であること | 事故車両や現場の写真、修理見積明細 |
症状の一貫性と連続性 | 一貫して同じ症状内容を主張しその症状が治療中も連続していること | 医師の診断書 |
自覚症状の証明 | 頚椎や脊髄、脊髄や神経の異常をレントゲンやX-P、CT、MRIの画像解析や反射検査、知覚テスト、ジャクソンテスト、スパーリングテストなどで確認できた場合 | 画像所見や神経学的検査 |
一定以上の症状 | 後遺症等級認定14級以上の症状が認められること | 後遺症等級認定基準 |
交通事故のむちうち(鞭打ち)の慰謝料
交通事故には重い自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準の3つの基準がありますが、
- 一番慰謝料が安いのが自賠責基準での慰謝料です。
- 一番慰謝料が高いのが弁護士基準での慰謝料です。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準(裁判所基準)
弁護士に依頼をして慰謝料請求を依頼した場合は、弁護士基準(裁判所基準)となるため、慰謝料は高くなります。自賠責基準の慰謝料が低い理由は、自賠責保険がそもそも最低限の補償しかされない保険だからです。
等級 | 自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準(裁判所基準) |
12級 | 93万円 | 100万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 60万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 40万円 | 110万円 |
・12級が認められる条件: 14級が認定される要件に加えて、画像所見や神経学的検査で症状が確認できていること。
・12級以上が認められる条件: むちうち症では基本的に12級以上が認定されるケースはほとんどありません。12級以上は仕事ができないレベルになるからです。
保険会社は任意保険基準の慰謝料までで収めたいと考えています。
これは、保険会社も後遺障害にして高額の賠償金を支払いたくないからです。
保険会社は営利企業であり、支出はできるだけ減らしたいという根源があります。
そんため、保険会社は必死に任意保険基準で示談するように勧めてきますが、弁護士に相談しているなら、絶対に任意保険基準で示談をしてはいけません。
なぜなら、弁護士基準の慰謝料は保険会社基準の慰謝料よりもかなり金額が高く、本来受け取れるはずの慰謝料の金額が半分〜1/3以下になり大幅に損をするからです。
交通事故でのむちうちの損害賠償や慰謝料のためにも任意保険には加入
追突事故や衝突事故などで相手にむちうち症になるような事故をしてしまった場合は、損害賠償や慰謝料、示談金はかなり高額になります。
そのため、もし自動車保険(任意保険)の対物や対人補償の上限金額を1000万や3000万円に限定していた場合は、補償金額が不足することがあります。
そのため、任意保険には加入しかならず対物補償と対人補償は無制限にしておきましょう。
対物補償と対人補償を無制限にすると保険料が高くなりますが、同じ条件でも保険料が安い保険会社というのがあり、自動車保険の一括見積り(無料)を使うことで簡単に複数の保険会社から保険料が安い保険会社を探して選んだり、乗り換えたりすることが可能です。